2019年9月13日金曜日

2019.09.13 研究会 報告 不登校について

2019年9月13日(金) 同盟基督教団 中野教会にて

2019年9月13日(金) 同盟基督教団 中野教会にて聖書と精神医療研究会の理事会および研究会が開催されました。

研究会では上山要代表理事が、「不登校」についての発表をし、意見交換の時を持ちました。

全国の中学生で30日以上学校に行っていない生徒は11万人。「学校に行きたくない」と思う、休みがち、行きづらさを感じている所謂「隠れ不登校」は33万人と言われています。合わせると8人の内1人の割合です。学校も原因の解明と対応に動き出しています。

不登校の原因には、発達障害や気分障害、家庭問題や学校での問題(いじめ)等の「可視的原因」がある場合もありますが、原因がはっきりとしない「不可視的原因」も考慮する必要があります。

昨今、不登校になる子ども側の問題だけでなく、「こうあるべき」という義務的・伝統的な枠組みを重視する学校側の制度に内在する問題にも目を向ける動きも見受けられます(子どもの視点に立った教育機会や教育方法が提供される必要性)。

研究会では、学校に見られる「固定化された枠組み」の問題は「神学教育の現場」や「教会」においても考える必要のある課題であることも確認されました。今後も様々な機会を用いて、この課題と向き合っていきたいと思う中にあります。

2019年8月12日月曜日

佐竹十喜雄先生召天について

私たちの研究会の創立時からの理事であられ、理事長の任も担ってくださった佐竹十喜雄先生が719日、米国において召天されました。佐竹先生は現在も理事として私たちを支えてくださっていた研究会の支柱的存在でした。御家族をはじめ、先生と関わりのあるすべての人々の上に天来の慰めが豊かにありますように心よりお祈りしています。

聖書と精神医療研究会 代表理事 上山要

詳しくは国分寺バプテスト教会のHPを御確認下さい。

2019年7月6日土曜日

聖書と精神医療研究会の会員の皆さまへ

聖書と精神医療研究会の会員の皆さまへ

 2019年度の聖書と精神医療研究会の歩みが先日行われた総会・シンポジウムをもって始まりました。

 総会におきましては前年度の活動・会計報告、および今年度の活動計画案と予算案が承認され、今年度より浜田献氏が新たに理事に就任することが承認されました。また会の運営のためには、どうか会費と共に献金、支援をよろしくお願いいたします。シンポジウムも下記の報告にあるように、非常に有益なものでした。講師の岩本陽子氏に心より感謝します。なお今後の活動については随時ホームページにおいて報告させていただきます。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

聖書と精神医療研究会
代表理事 上山要

2019年6月22日土曜日

2019.06.22 シンポジウム 報告 岩本陽子先生

2019年度 総会・シンポジウム


2019年6月22日(土) 幕張聖書バプテスト教会にて


2019年6月22日(土) 幕張聖書バプテスト教会にて聖書と精神医療研究会の総会・シンポジウムが開催されました。総会では2018年度事業報告・決算報告がなされ、2019年度事業計画・予算案が発表されました。

また、上山要代表理事より『関わり、育てる責任』というテーマで第一コリント3:1-9から 説教が語られました。

司会の笹岡理事

総会に引き続き、臨床発達心理士・自閉症スペクトラム支援士の岩本陽子氏を講師としてお迎えして、「 発達障害について考える 〜  こころと関わり、こころを育てる 〜 」というテーマでシンポジウムが開催されました。


シンポジウムではまず、「神経系発達障害」「自閉症スペクトラム障害」「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」「限局性学習障害(SLD)」の基本的な理解を確認し、発達障害のある子どもたちとの関わ方、その心が育まれていく過程にどのように関わっていくことができるのかを学びました。

「家族へのアプローチと連携」、さらに「日曜学校・教会学校での取り組みの可能性」に思いを向けることもできました。

また講義の途中には「聖書の時代の発達障害」という興味深い発表もありました。
  

シンポジウムの講義内容は今秋発行のジャーナルに掲載予定です。

2019年2月19日火曜日

2019.02.08 研究会 報告 青年のスマホ・ネット依存

2019年2月8日(金) 同盟基督教団 中野教会にて

2019年2月8日(金) 同盟基督教団 中野教会にて聖書と精神医療研究会の理事会および研究会が開催されました。

研究会ではHP担当の浜田が、継続的に取り組んでいる「青年のネット・スマホ依存」についての発表をし、意見交換の時を持ちました。


ネット・スマホの性質を様々な研究材料をもとに確認し、同時に聖書から人の内にある「罪に惹かれていく支配原理(ローマ7:14-25)」を確認していく時に、「ネット・スマホ依存は必然ではないか」という一つの結論を見出さざるをえません。

それにもかかわらず、スマホ・ネット依存の弊害を感じつつも、その利便性と魅力の故に、問題を脇に置いたまま使用し続けてしまっている(子どもに与えてしまっている)現状があるようにも思います。

ネット依存の予防・回復の第一段階として、ネット・スマホ・オンラインゲームやサービスに、また私たちの内側に「どのような問題・課題・危険があるのか」を的確に捉えていく必要を覚えます。(私たちはネット世界に潜在するリスクをほとんど知らないまま、フル稼働させてしまってはいないでしょうか?)

常に「教会として何ができるのか」また「神の御前に生きる人間の在り方」という視点を持ちながら、ネット・スマホ依存のメカニズムを聖書を確認しながら解明していく作業に今後も取り組んでいきたいと思う中にあります。

その一環として、今回は、ネット・スマホに潜在する「依存を誘発する要素」を確認し、考える時間を持ちました。(スマホやインターネットサービス、オンラインゲームには、依存症を誘発するような仕組みが施されていると言っても過言ではありません)

主な参考資料
メアリー・エイケン著「子どもがネットに壊される」ダイヤモンド社(2018年)


発表後の意見交換の場も、様々なことを教えられ、考えさせられる機会へと導かれました。

発表の中で、スマホ・ネット(サービス)には、人の基本的欲求を刺激し、それを繰り返し行わせる要素がいたるところにあることを確認しましたが、依存症に至る危険性を持つ「人の基本的欲求」が、「果たしてすべて堕落の影響を受けた病的なものであると言えるのか?」「そこには、神が人に与えてくださった善き欲求と呼び得るものもあるのではないか?」「どこまでが病的であり、どこまでが健全であるのか?」の見極めが必要であるということ。また「依存症」という言葉にはマイナスなイメージがありますが、「神に依り頼む信仰神に対する健全な依存と表現することはできるか?」等といった課題を、検討することができました。

学びを深め、整理したことを、ジャーナル等に寄稿し共有することが許されましたら幸いです。